正解よりも、納得

誰かの話を聴いていると、「こうした方がいいのになあ」と思うことがあります。自分の経験から考えれば、こちらの方が早い。こちらの方がうまくいきそう。そんなふうに見えることもあります。

でも、それが相手にとっての答えとは限りません。

コーチングをしていても、私にはいくつかの選択肢が見えていることがあります。それでも、その答えを相手が選ぶとは限りません。以前なら、「どうしたら、その選択肢に気づいてもらえるだろう」と考えていたこともあったように思います。

でも、今は少し違います。大切なのは、私が正しいと思うところに相手がたどり着くことではなく、その人自身が考え、「私はこれを選ぶ」と決められることなのだと思います。

正しい答えを教えてもらえば、早く進めることもあります。でも、自分で考え、自分で納得したことには、自分で責任を持つことができます。そして、たとえ思った通りにならなくても、「では、次はどうしよう」と、また自分で考えることができます。

これは仕事でも同じかもしれません。部下や後輩が考えている時、経験のある人には答えが見えてしまうことがあります。だからこそ、待つことが難しい。つい「こうしたら?」と言いたくなります。

もちろん、教える必要がある時もあります。でも、正解を渡すことと、その人が考える力を育てることは、同じではありません。

時間がかかっても、自分で考え、納得して一歩を選ぶ。その経験そのものが、次に自分で考える力になっていくのでしょう。

誰かを支援する時には、「何が正しいか」だけではなく、「この人は、何なら自分で選べるだろう」という視点も大切にしたいと思います。

あなたは誰かを支える時、「正しい答え」を渡すことと「本人が納得すること」、どちらを大切にしていますか。