最近のネタになるほど、指摘の仕方は難しいと思わされることがありました。
でも、言葉のかけ方次第で変わるのでしょうね。
ある若手社員Aさんのお話しですが、具体的内容は言葉にはできても、文として残すのは控えます。
しかし、上司の「優先順位を考えろ!」と言う指摘は、Aさんには届いているのですが、優先順位を考えても他の人と違っている場合には、この指摘では注意しても変化はないのです。
そのことに気づいていない上司は、「何度言ったら解るんだ!」とかぶせて怒り始めてしまいました。
でも、Aさんは、「考えているのに、優先順位はこうじゃないの?」と、他の行動さえ、「怒られないように」上司の顔色を伺うようになってしまいました。
明らかに、お客様よりも上司を見ている事が分かります。
上司は「Aさんは、ちょっとずれているので、smilecoachさんとの接点の中で変えて下さい」とおっしゃいました。
でも、Aさんは真面目にやっているし、問題なさそうに見えるのに・・・。
そう思っていたら、「これか!」という出来事が・・・。
Aさんにお話しを聞いてみると、どうも優先順位をつけていた結果が今の行動だったという事が解りました。
となると、どう指摘をしたら、Aさんの行動を効果的に変化させてあげられるのだろう?
一つ一つの指摘なら、すぐに変えてあげられるけれど、今後毎日関わり続けられるわけでもないし、どう伝えたら、Aさんが優先順位を変えられるのだろうか。
悩んだ挙句、周りの不思議がっている人達の反応を伝えてみることにしました。
けど、あまりAさんには響いていない。
そもそもなぜ響かないのか。
生い立ちを少しだけ聞いてみる。すると、家族との団欒の場もなく、日常的に「当たり前」と言われる事を、言わば「知らずに」育ってしまったようです。
だったら、教えてあげるしかない。ひとつずつ。
でも、そもそも、「当たり前」は「当たり前」なんだろうか。全てを自分の思い通りにするわけではなく、お客様に不快な思いをさせる可能性のあることだけにとどめてみよう。
そんな自問自答を繰り返しながら、関わることにしてみました。
1日が終わって帰り際、Aさんは「今日はありがとうございました。優先順位を考えろと言われても、全然解らなかった。でも、おかしいんだなと解った。これから、周りの人がどうしているのかを観察しながら過ごしてみます。」と、自分で解決策を導き出していました。
Aさんに関わらせていただいた事で、上司の指導の仕方も、頭ごなしだけでは伝わらないし、常識が常識でない可能性もある事を視野に入れて、関わっていく必要があるんだなという事を考えさせられました。
Aさんにとっても貴重な一日になったのかもしれませんが、私にとっても、凄く貴重な体験でした。
これからのAさんが、過ごしやすく、お客様に愛される社会人に成長してくださることを願うばかりです。
あなたは、部下の「なんでそんな事しているの?」という行動に出くわした時、どんな指導をしていますか。
それは、その部下にマッチしていますか。
どんな指導が、一番効果的なのでしょうか。
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