先週は、あちこちに移動しながら研修をする一週間でした。長く講師をしていると、「たくさんの人に教えてきたのでしょう」と言っていただくことがあります。
確かに、前に立ってお話しするのは私です。でも、自分の感覚としては、「教えてきた」というより、「受講してくださる方々に育ててもらってきた」という方が近いように思います。
同じテーマの研修でも、同じ時間になることはありません。あるところでは、思いもしなかった質問が出てきます。別のところでは、ワークの中で私が想像もしなかった答えが出てきます。「そう考えるんだ」と、思わず感心することもあります。
反応が薄ければ、「伝え方を変えた方がいいかな」と考えます。楽しそうに話してくだされば、「ここは皆さんにとって大切なところなんだな」と気づきます。そうやって、一つひとつの場から教えてもらいながら、少しずつ自分の研修も変わってきました。
最初から今のようにできたわけではありません。失敗したことも、うまく伝わらなかったことも、時間配分を間違えたことも、もちろんあります。それでも続けてこられたのは、そのたびに目の前の方々が反応を返してくださったからなのでしょう。
講師が受講者に何かを与える。そんな一方向の関係ではなく、場にいる人たちから私もたくさんのものを受け取っている。だから、同じ研修を何度しても、「もう分かっている」とはなかなか思えません。
次はどんな方々に出会い、どんな反応が返ってくるのだろう。今でも、そんな楽しみがあります。
人に何かを伝える仕事をしているつもりが、振り返れば自分の方がずいぶん育てていただきました。ありがたい仕事だなあと思います。
あなたが「教える側」だと思っていたのに、実は相手から教えてもらっていたことはありませんか。
