正解を探すより、考えを増やす

研修の中で、参加者の皆さんに一緒に考えていただく時間を設けることがあります。

ただ、全員がそうした時間を得意としているわけではありません。

「一人で考える方がやりやすい。」
「人と意見を出し合うのは、少し苦手。」

そんな方もいらっしゃると思います。

でも、私は、一緒に考える時間には大きな意味があると感じています。

それは、必ずしもグループで一つの正解を出すためではありません。

自分とは違う意見を聞くことで、「そういう見方もあるんだ」「その方法も考えられるんだ」と、考え方の幅が広がることに価値があると思うのです。

私たちは、自分の経験をもとに物事を判断しています。それは決して悪いことではありません。でも、経験が増えるほど、知らず知らずのうちに「こういう時は、こうするものだ」と考えてしまうこともあります。

そんな時、誰かの一言が、自分の当たり前を少し揺らしてくれることがあります。

今、私たちを取り巻く環境は、驚くほどの速さで変化しています。AIも身近な存在になり、仕事の進め方や求められる力も、これから変わっていくのでしょう。

昨日までうまくいっていた方法が、明日も同じように通用するとは限りません。

だからこそ、一つの答えにこだわるよりも、状況に応じて考え方を変えられる柔軟性が、ますます大切になるのだと思います。

そのために、何か特別なことを始める必要はないのかもしれません。

例えば、誰かが自分と違う意見を言った時、すぐに「それは違う」と判断するのではなく、「どうしてそう考えたんだろう」と、少し興味を持ってみる。

それだけでも、自分の中に新しい選択肢が生まれることがあります。

一緒に考える時間は、正解を探す時間というより、自分の考え方を少し豊かにする時間なのかもしれません。

今日、誰かの意見に触れた時、「その考え方もあるんだ」と、一度受け取ってみませんか。そこから、新しい発想が生まれるかもしれません。